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ホテル・サブスクリプションサービスの現状について

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今年の五月に僕の運営するオンラインサロンでサブスクリプションサービスの可能性についてブレストを行った。
その際「ホテルのサブスクリプション」は良いという結論に至った。
しかしながら、当然ホテルを経営するなんて現実的ではなく、その場限りのネタとブログ記事で公開するだけで終わった。
そんなこんなで日々を気楽に過ごしていたら、僕の知り合いがゲストハウスのサブスクリプションサービスを始めると連絡が入った。
ゲストハウスのサブスクリプション、果たして中の実態はどんなものなのか。
気になった僕は、早速知人に連絡を取りインタビューをさせてもらった。
サービスにかける知人の思い、そして構想、その他諸々余すこと無く聞いてきたので、是非ご覧頂きたい。

まず今回ゲストハウスのサブスクリプション「ホステルパス」を始めた知人の紹介をしよう。
柚木理雄氏だ。
彼は新卒で農林水産省に入るという大変エリートな人物だ。
それから9年務めた後2017年に退職。
2017年2月に株式会社Little Japanを創業し、ゲストハウスLittle Japan立ち上げに至った。
農林水産省時代からNPO法人「芸術家の村」を立ち上げ、空き家を活用していた場作りなどに取り込んでいたとのことだ。
なぜそんなエリートがドロップ・アウトしゲストハウスを立ち上げたのか。
個人的に一番気になって仕方ないポイントだ。

さて、そんなわけで11月上旬、ゲストハウスLittle japanへ取材のために伺った。
Little Japanは浅草橋駅から徒歩5分程の距離にある。
山手線ならば御徒町駅から歩いて向かうことも十分可能だ。
僕はウォーキングが趣味なので日暮里から歩いていったのだが、落ち着いた良い場所にあった。
取材チームを丁寧に迎えてくれた柚木氏。
軽く挨拶を交わして、早速インタビューをさせてもらった。


最初に聞いたのは、ずばり「なぜエリート街道を進んでいたのにドロップ・アウトしたのか。そしてなぜそれがゲストハウスの運営なのか」だ。
一体どんな熱い思い、パッションが彼を動かしたのだろうか。
開口一番に質問した僕に、柚木氏は屈託のない笑顔でこう告げた。

"もともとゲストハウスが好きだった。
学生時代よりバックパッカーで40カ国以上放浪しており、ブラジルに3年、フランスに1年住んでいた事もある。
日本に帰国してからゲストハウスで住み込みのアルバイトをしていたところ、自分で旅して泊まるより、ホストとして迎える方が楽しいことに気づいた。
老後の生活などでいつかゲストハウス経営をやりたいと漠然に考えていた。
しかし2011年の東日本大震災が起こった。
そしてそれをきっかけに、国そのものの役割を考えるようになった。
農林水産省時代に行っていた事は、大きな制度を作ること。
その作っていた制度とは、「誰かにとって大変良いもの」ではなく、「誰にとっても程々によく、誰にとっても程々に悪いもの」というものだった。
その作業を行っていくのが良いのか自問自答した時、いくら60点の制度を作り続けたとしても60点以上にはならないと感じた。
一般化した、均一化したものを広めたいわけではない。
誰かにとって特別なものを、小さく沢山作っていくのが、国にとっても自分にとっても良いのではないか。
そう考えた際、農林水産省という立場では出来ないことに気がついた。
現場で作ったほうが良いだろうと思ってたどり着いた結論がこの形。
自分にとっても良いものを作ってるのがLittle Japan"


次に僕は、Little Japanのあり方、目指す方向を聞いた。

"今回提供するサブスクリプションサービスのホステルパスは、新しいライフスタイルの可能性を広げるサービスだと考えている。
現在ホステルパスの利用者の大半は、旅行者ではない。
通勤時間の短縮目的のサラリーマンや、大学などへの通学者であったり、地方からはるばる泊まりにくる人や、あるいは地元の人であったりする。
今までは一部の富裕層を除いて、帰る家は一つしか無かった。
しかしホステルパスによって、上記の人々に帰る家が複数ある多拠点生活を提供することができる。
それによって、新しいライフスタイルが生まれると思う

人間はいちいち帰るのが大変な時がある。
もし飲み会の先に家があったら?
旅行先にも家があったら?
成田の早朝便の為に成田にも家があったら?
それが実現できると移動コストも下がる。
そうすると都心に仕事のために無理して住む必要がなくなる。
離れた安い家に住んで、都内にも拠点が持てる。
コストが下がって良い環境が手に入る

多拠点のメリットは、沢山の場を持てること。
毎日人がいるのが面倒ならば、たまには自分の家に帰ってもいいし、交流を持ちたければ来たら良い。
都会も好きだし、海も好き、山も好きだし、外人と話すのも好き。
好きなものは一つだけではない。
あれも欲しい、これも欲しい。
色んな生活を持てる。
そんなライフスタイルを提供したい"

やはり柚木氏は熱いパッション、崇高なビジョンを胸に抱えて事業を興している。
そして彼の場合、決して思いだけ先行するのではなく、裏側の部分はロジカルに煮詰めて、締める部分はきっちり締めて事業を進めている。
エリートの知見からくる確かさを感じた。
「熱い情熱と冷静な思考」というやつだ。
起業をする場合、誰にも砕けない光り輝くダイヤモンドの意思が無いと、自分の思い描く世界なんて到底たどり着けない。
全てを持ち合わせる彼に、インタビューをしながら、少し感動してしまった僕がいた。

その後はサロンメンバー向けコンテンツの取材をさせてもらった。
まあビジネス的な数字の部分だ。
ざっと聞いた内容はこちら。

  • 現在の数字はどんな感じか
  • 何人で運営しているのか
  • どのぐらいの規模があれば単月黒字になる計算か
  • カフェなどを含めた一人辺りにおけるアップセルはどれぐらいか
  • 広告を出しているか。CPAはどれぐらいか
  • 想定しているLTV/リテンションレートはどれぐらいか
  • ユーザーは平均して実際どれぐらい月に泊まっているのか
  • ユーザーの実際の利用ケースはどんなシチュエーションが多いのか
  • ユーザーとのエンゲージを上げる特殊な施策はあるのか
  • 将来的にどの程度の事業(事業としてのアップセル)と見込んでいるのか
  • ゲストハウスとしての差別化にはどのようなものを考えているか
  • 事業のボトルネック・課題は何か
  • ファイナンスはしているのか
  • 提携ゲストハウスとのレベニューシェアはどんな内容か

それぞれ詳細な回答を頂けたが、申し訳ないがこちらはブログでの公開予定はない。
僕の運営するオンラインサロンIT Startup Communityで公開しているので、是非入会して確認してもらいたい。


さて、すっかり満足してしまった僕だが、最後にどうしても聞きたい質問があった。
ホテル(ゲストハウス)運営とサブスクリプションの相性についてだ。
以前僕がブレストした際、ホテルやゲストハウスのサブスクリプションサービスは非常に上手いモデルだと結論づけたことがある。
「非労働集約モデルであること」というのが大きな理由だ。
ホテルなんて常に部屋があり、そこに人が入ってようが入ってなかろうが、やるタスクやボリュームは殆ど変わらない。
せいぜい清掃の手間が増えるだけだ。
ならばサブスクリプションで人を確保しておいたほうが良い。
死蔵ユーザーも出来るし言うことないだろう。
超繁忙期だけは対象外などにしておけば数字的にもバッチリだ。
他にも「アップセルが狙えること」も大きい。
安価で来てもらってカフェやレストラン、ラウンジで回収。
見事な流れと言える。
また大半のサブスクリプションの課題である「レパートリー」を用意する必要ないのも大きい。
飲食やらアパレルのサブスクリプションの場合、レパートリーを多数用意し、常に入れ替えなければ、ユーザーは飽きてしまいリテンションレートが上がらない。
しかしホテルならばこれも問題ないだろう。
そう言った諸々の問題を考えて、ホテルのサブスクリプションは上手いと僕は結論づけた。
しかし、ブレストを重ねる上で一点だけこのビジネスには致命的な問題点があることにも気づいてしまった。
それは「ホテル不足が叫ばれてる現状、サブスクリプションなんてしないでも部屋はすぐ埋まる」という事だ。
そう、インバウンドなど昨今の事情から、今は圧倒的なホテル不足。
需要と供給のバランスが明らかにおかしい。
某ビジネスホテルですら一泊3万円というおかしな値付けになっており、それですら空室が無い状態なのだ。
そんなもんだから、ホテルにしてみりゃサブスクリプションなんてゴチャゴチャしたことをしないでも、客が来すぎて捌けない状態なのだ。
期待されていた解決策の民泊もあんな感じなので期待は出来ない。

この問題に対して、柚木氏は一体どう思ってるのだろう。
果たして僕の仮説は正しいのだろうか。
そんな僕に彼は意外な回答をした。

"ホテルとサブスクリプションは相性が悪いと考えている。
理由としては、ゲストハウスは在庫が限られている為だ。
ベッド数は決まっている。
在庫数が無限にあるサービスと比べると向いていない。
アカウントを無制限に増やして……というわけにはいかない。
他に、客とホテル双方の満足度のバランスが難しい。
宿泊客が増えすぎると単価の問題でホテル側が困るし、予約も取るづらくなるので客側も困る。
かといって少なすぎるとそれはそれでホテル側がまた困る。

致命的な問題点に挙げていた需要と供給のバランスについても認識が間違えている。
現状ホテルは十分足りている。
どこも空き室がある。
単価も下がってきている。
なぜ足りていないと騒がれているかというと、2020年オリンピックを理由に投資会社が積極的にホテルを作らせているのが関係している。
2020年以降ホテル余りが顕在化し、破綻するホテルがずいぶん出ると考えている。
他にもホテルが足りないと言われる理由がある。
確かに東京でいうと土曜日はホテルが足りていない。
GWや年末年始などの超繁忙期も部屋は埋まる。
客の多くは、繁忙期に来てホテルが空いていないと錯覚してしまうのだ"

ホステルパスは、サービス正式リリースまでには提携先を20拠点ほどまで増やす様だ。
千葉や京都など、全国津々浦々幅広いエリアのゲストハウスで利用できるようになる。
もちろん追加費用などは一切かからない。
最安月額15,000円から利用することが出来る。
多拠点生活をいち早く体現したい人、そして新しいライフスタイルを感じてみたい人は、是非申し込んでみてはいかがだろうか。

ホステルパス

柚木氏の思い描く新しいライフスタイル。
僕は彼が語ってくれた世界を想像しながら、ワクワクした気持ちでゲストハウスを後にした。


ゲストハウス Little Japan
ホステルパス

さて、以上で今回のインタビューは一旦終わりだが、ここでまたいつもの宣伝を入れておこう。
インタビューにも関連することなので、最後まで読んでいただきたい。

本文にもある通り、このインタビューは僕が運営するオンラインサロンIT Startup Communityのメンバー向けコンテンツとして企画されたものだ。
IT Startup Communityは起業を志す人や起業家向けのオンラインサロンだ。
日々IT Startupの事例やチップスについて情報共有、ブレストを行っている。
今回でいうと、ホテルのサブスクリプションを日本で唯一運営している柚木さんに中の具体的な数字を聞きたいという声から立ち上がった。
途中に書いたように、インタビューでは経営についてリアルな数字を色々聞いている。
リテンションレートや損益分岐点、アライアンスの条件やボトルネックなどについてだ。
もし上記内容に興味が湧いたら是非IT Startup Communityに入ってみてもらえないだろうか。
立ち上げてから9ヶ月。
蓄積されたコンテンツは相当なボリュームだ。
今回のようなインタビューコンテンツは過去に三回ほど行っていて、そのレポートは勿論全部読める。
オフライン交流会も盛んだし、勉強会も面白い内容で多数開催している。
事業の相談なども無料で受け付けているし、いまさら聞けない基本的な用語集やノウハウ集なども取り揃えている。
自分で言うのも何だが、新規事業、IT起業に必要な事がオールインワンで綺麗に詰まっている良いコミュニティだと思う。
エンジェルからプレシリーズAまでの方なら入ってみて損はないと思う。
しかも今ならなんと無料期間まで設けている。
この間に中の様子を見て頂き。もし合わないと感じたら辞めてもらって構わない。
ぜひ、一緒にワイワイ楽しんでいければ嬉しい。
ご参加、心の底からお待ちしている。

IT Startup Community

以上で今回の記事は終了にする。
読了ありがとう。

取材チーム
文字:川島 修三
撮影:柏木 敦士
他 :岡本 展尚



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