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第42回 全国育樹祭へ行ってきた

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前にも書いたがコンサバな業界に多少だが興味がある。
農業Expoなんかは毎年行ってるし、業界紙などにもちょくちょく目を通している。
農業、酪農、漁業、それ関係のStartup Newsは大好きだ。
そんな僕だが恥ずかしながら林業についてはあまり詳しくない。
というかそもそもにして林業やってるStartupなんてあるのだろうか。
林業「forestry」と「Tech」。
おこがましいようだがForeTechとでも名付けようか。
このForeTechはどんな状況なのか。
果たしてITは活用されているのだろうか。
興味が湧いた僕はパパっと調べてみたところ、面白そうなイベントを発見した。
第42回全国育樹祭だ。
ちょうど11月19日に育樹祭のコンテンツの一つである「森林・林業・環境機械展示実演会」というのをやるらしい。
ForeTech、いっちょどんなものか。
早速行ってみることにした。

「森林・林業・環境機械展示実演会」はJR五日市線の秋川駅とかいうのが最寄りらしい。
当日は渋谷からエッチラオッチラ向かったのだが、なかなかこれが遠い。
乗り換えて乗り換えて、ひたすら東京の西へと向かった。
都内東側出身で新宿より西はほとんど行ったことがない僕としては、ちょっとした旅行とも言える距離だ。
立川駅でかにチャーハンを食べ、1時間20分かけてようやく到着。
ここで今回の同行者、サロンメンバーでもあるSaltのCEO山口くんと合流した。
駅から現地までは歩いて15分ほど、雑談しながら向かう。
目的地に近づくと、色んな機械が見えてきた。
おそらくアレだ。
入り口に到着し受付をすませる。
流行る気持ちを抑えて野外会場入りすると、そこはもう所狭しと言わんばかりに機械やらテントやらが陳列された立派な景色が待っていた。


完全に部外者の僕たちは、大人しく一つずつ見て回ることにした。
というか最初の陳列からしてこれである。


何やら木を持ち運ぶらしきマシーンらしい。
デモンストレーションをしていたのだが、実は刃的なものが実装されており、持ち上げてはカットして、持ち上げてはカットしてを繰り返していた。
初めて目の当たりにする林業機械、それも思わぬ仕様に思わず歓声を上げてしまった。

それからStartupのブースよろしく、沢山のテントを一つずつ巡る。
木を切った木材を利用した肥料やら、暖炉用のペレットなど全くもって馴染みのないものばかりがあった。
というわけで、IT Startupの僕たちにとって面白かったものをとりあえず並べてみよう。

  • ロープ
    • なにやら林業にはロープが重要らしく、ワイヤーよりも強度が高く、それでいて軽いといったものが売られていた。
      ただ摩擦には弱いらしく使いみち次第だとおっちゃんが説明していた。
      全くもって良さが分からないが、業界の人のこだわりだろう。
  • 洋服
    • 派手で格好良い服が沢山売られていた。
      詳しく話を聞くと、チェーンソーなどを当てても破れないものらしい。
      あるいは傷がつくと中にはいっている綿が飛び出しチェーンソーが止まるものもあった。
      派手なカラーにも理由があり、何やら欧米の方だと上着の何%かに蛍光色を使わないといけないらしく、それの影響だとか。
      ちなみにブーツは全部中に金属が入っており、一足1.4キロの重さがあった。
      これは全部身につけると大変だろうなあ。
      受付の女の子が可愛くて萌えた。
  • 原木検収システム
    • 林業なので原木を集めてそれを検収しなければならない。
      幾つかの会社が専用システムを作っていた。
      一つは、タブレットと連動して声で数値を入れられるタイプ。
      「30本、長さ4メートル、末口22センチ」とかなんとか言うと、勝手に数字が入る。
      両手が自由になるのでチョークで木にマーキングしながら出来ますよ、と熱弁していた。
      他にAI画像認識を使っていたタイプもあった。
      木が並べられた写真を取ると自動で本数を確認し番号を振り当てられると言ったものだ。
      ただ残念ながらあまり精度は高くないようだった。
  • 作業緊急伝達装置
    • 林業をで木を切っていると当然事故が起こる。
      木から落ちただのチェーンソーで腕切っただの、たぶんまあそんなもんだ。
      そういった時の為に伝達装置を作りましたというのがあった。
      キツツキハンマーと呼ばれるこの商品は、ヘルメットと連動しており、仲間がSOSを発したらヘルメットをキツツキよろしくカンカンと叩くデバイスだ。
      それによって誰かが危険なのが分かる仕組みだ。
      こんなんスマホのアラームやヴァイブレーションで十分じゃないかと思ったんだが、チェーンソーを使ってるので、その程度のものでは気づかないらしい。
      なるほど、WEBで身につけた知識は現場じゃ何一つ活かせない。
      素直に感心してしまった。
  • 地図データ作成ガジェット
    • 今回結構多かったのが、地図データを作成したり、測量・解析したりするガジェットだ。
      GPSを使い地図と連動する簡単なものから、マシーンと共に測量するスマホアプリ、ドローンを飛ばして地図を作るもの、地上レーザーで計測するものなどがあった。
      面白かったのは、林業をする際に効率の良い林道を作るサービスだ。
      林の写真を10メートル間隔でガジェットで撮影すると、どこでどういうルートの林道を作ったら環境的に作りやすく、作業に効率が良いかがはじき出されるといった代物だ。
      実際のデータを見たのだけれど、よくまあこんなのが分かるなと思った。
  • 無人走行マシーン
    • 地面に誘導電線を敷くと、それを勝手に往復する無人車のようだった。
      QRコードを読み取る装置がついてるらしく、道の途中途中にQRコードを設置しておくと、そこに書かれた動作をして、また移動するらしい。
      土場まで無人で走行し、盤台で自動停止後、無人で荷降ろし、先山の走行開始位置まで無人で走行、そして待機。
      こんなのが一通りできるようだ。
  • チェーンソー
    • 今回のイベントで一番多く見られたのがこれだ。
      というかブースに入っていきなり話しかけられた言葉が「どこのチェーンソー使ってます?」だった。
      知らねえよ、そんなの……、と内心で思いながらその人の話を聞いてみると、何やらチェーンソーの刃を作ってるメーカーらしく、めちゃめちゃ切れるらしかった。
      差別化はどこでしてるのか聞いてみたら、刃の形状や本数、間隔などを徹底的に調整しているようだ。
      凄い世界があるなあと感心してたら、ブースのあんちゃんが「試しにやってみます?」といってきた。
      僕は手に軽い障害があるのと、結構ビビリなので躊躇していたのだが、背中越しに山口くんの視線を感じてたので、致し方なく試してみることにした。
      まずは服を着る。

    • これが地味に重い。
      ヘルメットやら何やら、文字通り重装備というやつだ。
      それからチェーンソーを手にして、サポートをしてもらいながら、いざ本番だ。


    • ズズズン、手に強い振動が響く。
      刃を木につけると、前後に激しく揺れながらカットされていく。
      そして飛び散る木材。
      辺りに響く爆音。
      気づけば僕の周りには囃し立てる観衆が群れをなして見学していた。
      おそらくだが、都会のもやしっ子がチェーンソーを使っている姿が単純に興味深いのだろう。
      まあそんな事を気にかける余裕もなく、ひたすらチェーンソーをあてる。
      するとなんとか木を切断することに成功した。
      はじめてのチェーンソー体験。
      緊張はしたけれど正直かなり楽しい体験だった。
      今後に活かせる学びがあるとするならば、「チェーンソーはただ優しく当てるだけでよく、無駄に押し付けたり動かす必要がない」ということだった。
      無人島でチェーンソー一つで取り残された時に覚えておきたい知識だ。

  • のこぎり
    • 木を切るのは何もチェーンソーだけでない。
      原始的な器具、のこぎりもまだまだ現役だった。
      こんなもの、機械化が進んでる今になって何に使うのかと思ったら、時と場合により非常に有用とのことだった。
      大きいのは機械がやるが、小さい細かな作業には皆使ってるらしい。
      へー、そんなものか、と思ってたら、またしても「あんちゃん、やってみるか?」と言われた。
      正直こんなんで木を切れるわけねーだろ、と思ったが、ご好意に甘えて体験してみることにした。
      のこぎりを手に持ち、サポートしてもらいながら木に押し付ける。
      そして前後に小さく左右に動かす。
      すると、いきなり動きにダメ出しをされた。
      なにやら刃を全体使わないと駄目らしく、それでいて刃は「引く」時だけ切れるから、気を使えとの事だった。
      知らんがな……と思ったが言われたとおりにやると確かにサクサク切れる。
      地味に面白い。
      スムーズに切っていたのだが疲れたので山口くんに代わってもらう。
      すると彼は下手くそでなかなか切れない。
      鼻で笑いながら、僕はひょっとして才能あるんじゃないかと思ってたら、どうやら違うようだ。
      木は中心にいくほど固くなるだけのようで、僕は一番柔らかい部分だけ切って得意になってたようだ。
      「めちゃ固くて焦りました」と山口くんが終わった後に言っていた。



さて、そんなこんなで楽しくブースを回っていた所で、小腹が空いたので飲食ブースへ行ってみた。
地元の店が出しているらしく、実は楽しみにしていたのだ。
ブースを見回すと、鱒だのパンだのスープだの、思い思いのモノを売っていた。
肉の店では「焼き鳥500円」と書いてたので、やはりこの手のものは特別価格だなと思ったら、よくみたら5本で500円だった。
しかも結構でかい串だ。
たぶんにテナント料がかからない上に、出す方もお祭り感覚なので、この驚きの低価格なんだろう。
気を良くした僕はコーヒーとパン(フランスパンにクリームが挟まっていた)を買った。
2つで300円ほどだった。
ちなみに山口くんは、焼きそば(300円)と焼き鱒(200円)を買っていた。
ご覧頂きたい、この馬鹿面引っさげた様子。
すでに僕たちは遠足気分だった。


さて、お腹も膨らんだ所、今度は特別イベントコーナーへ寄ってみた。
何やらチェーンソーの実技があるらしく、演じるのは世界大会優勝者の人とのことだった。
これは早速見なければ……と思って行ってみたら、見たこともない地味な競技が待っていた。
競技は全部で3つ。
「枝払い競技」「設置丸太輪切り競技」「丸太合せ輪切り競技」。
というか題をみただけでは何がなんだかわからない。
実演自体はすでにはじまってるっぽく、何やら中央でチェーンソーをくるくる振り回し、踊りながら木を回ってる人がいた。
たぶんあれが「枝払い競技」なのだろう。
枝に見立てた棒をひたすら踊りながら切っていた。
競技のポイントが分からずぼけーっと眺めていたら、次の競技である「丸太合せ切り競技」に入った。
解説を今度は聞いてみると、丸太をチェーンソーで切るだけだった。
ポイントは、木を切る角度、あとは……厚みとかだった気がする。
一体どうやるんだろうと思ったら、掛け声とともに丸太をチェーンソーで切り出した。
で、切ったらそれでオシマイだった。
なんとも微妙な競技だと思ったら、「角度89.9度」とかいう声が聞こえてきた。
凄いのかどうかすら分からなかったが、周りのおっちゃん達から歓声が上がったのでどうやら凄いのだろう。
最後の競技は「設置丸太輪切り競技」だ。
これは更に地味で、地面に置いた丸太をチェーンソーで切るというやつだった。


あくまで推測だが、地面に置かれてるので切りにくいんだろう。
どんなもんかと思ったが、ここでも単にチェーンソーをあてがって木を切ってるだけだった。
で地面すれすれのところでチェーンソーを止める。
審判員がそれを見て「1.9ミリ!」と大興奮していた。
おそらく地面から1.9ミリのところ、木が切れる直前でピタリと止めたということだろう。
そして盛り上がる会場。
世界で一番地味な競技がそこにあった……。

すっかり満足した僕たち。
最後はブースの端っこにあったユンボにまたがり気分を味わった後、会場を後にした。


さて、とりあえず一通り書いたので、イベントの振り返りをまず記そう。

今回のイベントだが、率直に言って「非常に面白かった」。
林業という触れたことのない世界だったので、どれもが新鮮で、チェーンソー一つとっても楽しかった。
展示物もレパートリー豊富で、見ていて何一つ飽きない作りだった。
そして会場の人がみんな優しかったのも印象的だ。
参加者のほぼすべての人が50代以上の白髪交じりのおじちゃんで、そんな中(見た目だけは)若くみえる僕が珍しかったのだろう。
みんなニコニコ話しかけてくれて、丁寧に対応してくれた。
林業の人の温かさや懐の広さを感じ取れた。
皆さん本当にありがとう。

さて、ではビジネス的な感想を書こう。
まず行く前に思っていたことは、技術大国日本なのだから、コンサバと言えど現場の機械は随分進んでいるんだろうなという事だった。
そしてその予想はやはり正しく、現場の機械はどれも高性能なものだった。
ユンボ一つとってもハイテクだった。
が、大きな課題的なものも見つけた。
それは、林業の人は林業の中で想像し得るものしか作っていないものだった。
どういうことかと言うと、例えば木を切る現場にいる時に不便な点が見つかったとする。
するとそういう課題が蓄積されて、それへのソリューションが出来る。
今まで見てきた製品がそれだ。
道を作る測量機であったり、SOS信号であったり、ドローンであったり。
そういうやつはおしなべてハイテクだったりする。
現場の課題に対して解決策を出すのには優れてはいるのは分かった。
実体験の延長上のものを創意工夫して生み出せているのも理解できる。
しかし、だ。
業界外の知識や発想と組み合わせたものは何一つ無かった。
当たり前のことかもしれないけれど、外のモデルを取り入れて融合するという観点が全くもって欠如していた。
別にブロックチェーンやトークンエコノミーを取り入れろ、ということではない。
が、林業だけにとらわれて、現場から分かる延長上の発展だけでは、イノベーションは起きない。
一見して関係ないと思われる外のシステムを融合することで、その産業が飛躍的に伸びるというのはよくあることなのだ。
となると僕たちStartupの取る道は一つだろう。
たぶんに林業の現場からの延長上の発展を僕たちが考えるのは得策でもないし、僕たちがやる意味、いる意味がない。
そうではなく、林業の人が全く知らない、思いつかないモデルを、提唱し、組み合わせることが、僕らのやる意味、いる意味、なのではないだろうか。
今回のイベントで、上記のことを強く思った。

さて、まあこんな感じか。
読んでもらえたらお分かりの通り、大変楽しいイベントだった。
たまにはこういうのも悪くない。
前回の農業Expoに続いて、今回も大満足だった。
次回2019年も必ず来よう、そう思った僕であった。

以上、育樹祭のレポート終わり。

あ、ちなみにいつもの宣伝文句で申し訳ないけれど、僕は今幅広く仲間をオンラインサロンで募集している。
今回のようにイベントに一緒にするのも楽しいし、一緒に会社興したり、新規事業を作ったり、人生に彩りをもたせてワイワイ生きていこう。
興味のある人がいたら下記から参加申請してもらいたい。

IT Startup Community

では、今回も読了ありがとう。

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