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信託型ストックオプションについて

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今年に入ってから、いわゆるイケてるStartup起業家と飯を食べると、信託型ストックオプションの話題になることが多い。
何やら最高のスキームで、これからの起業家には必須と言える知識だとか。
恥ずかしながら僕はそもそも通常のストックオプションすら発行したことがない状態だった。
その為、良い機会と捉えて僕の運営するオンラインサロン主催としてSOICO株式会社代表の茅原さんを招いて勉強会を開催することにした。
あまり知識がないためどうなるかと思ったが、茅原さんの丁寧な説明に加えて、根掘り葉掘り伺うこともできたので、内容を完璧に理解することが出来た。
随分複雑な内容だが、これは確かに有用な内容だと思ったので、ブログにて共有することにする。
本音を言えばここで得た知識は僕だけ知っておけば十分なのだが、IT Startup界隈の知識レベルの向上にわずかでも貢献できるならと思った次第だ。
あと、実は事前準備を念入りに行う予定だったが、信託型ストックオプションについて分かりやすく書かれたソースがWEB上でなかなか無く、それならば僕が作ろうと思ったという事もある。
そういうことなのでしっかり読み込んでもらいたい。

さて、本編に入ろう。
信託型ストックオプションのスキームの説明だ。
前提として、従来のストックオプション(以下SO)についての知識が必要になるが、これに関してはここでは割愛したい。
知識がない人は他でカヴァーしてほしい。
というわけでまずは流れがまとまった図を貼り、それから説明に入ろう(素材はチャーリー氏のものを活用した)。
素人の僕でも理解できるように詳細を書いていくのでしっかりついてきてもらいたい。

関わってくるプレイヤーは4人だ。
  • 委託者(会社の代表になることが多い)
  • 受託者
  • 発行会社(SOを発行する自分の会社だ)
  • 従業員
詳細な流れをテキストに興すとこうなる。

まず発行会社がSOを受託者に発行する必要がある。
しかし発行するには受託者は発行価額を支払わなければならない。
受託者は当然そんな金を持ち合わせていないので、委託者がまず受託者に対して発行価額分のお金を払う(このお金でSOの発行価額を支払ってね、というわけだ)。
受託者はそのお金から贈与税を税務署に払い、残った金額を発行会社に支払い、SOを発行してもらう。
受託者は発行してもらったSOを預かっておく。
受託者がSOを預かってる間、代わりにポイント制度なるものを会社は回し、従業員などにSOの代わりにポイントを割り振っておく。
受託者の信託が満了時になったら、従業員に対し、ポイントに応じてSOを発行する。

さて、ここで当然幾つかの疑問点が出ていると思うので回答しておく。
  • 委託者はなぜ会社がやるのか。発行会社では駄目なのか
    • SOを発行するのに必要な発行価額を受託者に渡す人。
      普通に考えれば発行会社がそのまま渡せば良いじゃんと思いがちだが、これは出来ない。
      なぜなら自己増資になるからだ。
      会社法には仮装払込という禁止事項がある。
      財産が入ってないのに増資をするとこれに該当してしまうというわけだ。
      故に会社の代表が委託者になるケースが多い。
  • 受託者が受け取った発行価額における税金は?
    • 鬱陶しいことに贈与と見なされて贈与税を税務署へ払わなければならない。
      しかも最大55%だ(SOの発行価格を下げる方法は随分あるようだけれど)。
      だから信託型SOを発行したい場合、委託者は贈与税を支払うことを前提とした金額を受託者へ支払わなければならない。
  • 受託者は誰がなる場合が多いのか
    • 顧問税理士や社外のプロフェッショナルファームに依頼する場合が多い。
      信託業に必要な免許を持っている信託銀行にお願いするとFeeが高く、大体2000~3000万程かかる様だ。
      その為SOICOの場合では免許が要らないように、民事信託というスキームを取っている。
      これ以上の詳細に関しては申し訳ないが非公開とさせてもらいたい。
      SOICOのノウハウになるためブログでの公開はNGと頼まれている為だ。
      聞きたい場合は文末に記載しているSOICOの勉強会に行くなり、直接問い合わせるなりしてもらいたい。
      大変面白い内容なので是非。
  • ポイント制度とは何か。
    • SOを信託してる間に、誰にSOを発行するか決める必要がある。
      それの指標として、会社にポイント制度を導入する。
      従業員の働きに応じてポイントを分配する。
      信託満了時に、そのポイントに応じてSOを発行するという形になる。
      基本は社内の制度で作ってもらうことになる。
      人事評価とLINKさせるケースが多いようだ。
      例えば半期ごとの賞与の評価を反映させるとか、営業系なら社長賞を取ったらポイント付与、など。
さて、信託型SOの流れを理解してもらったら、従来のSOに比べて信託型SOのメリットを語ろう。
まず従来のSOでは下記5点の課題があった。
  • 行使価格が高くなりすぎる。
  • 付与相手、配分を先に決めなければならない。
  • 税金が高くて当月払い。
  • 創業者に割り当てられない。
  • 発行の費用が高すぎる。
それぞれ信託型SOでは解決していくので、1つずつ詳細を説明する。
  • 行使価格が高くなりすぎる問題
    • 従来のSOでは発行時毎にSOの価格が上がってきてしまう。
      初期に入社した人は低い価格で手に入れられるが、後から入った人はSOの価格が高くなる。
      それを補うために発行株数を多くしなければならないが、それをすると持株比率がどんどん希薄化するという問題がある。
    • 信託型SOの場合、最初に発行した行使価格のまま信託に保存することができるので、後から入った人でも低い価格で手に入れる事ができる。
  • 付与相手、配分を先に決めなければならない問題
    • 従来のSOでは、SO発行時に在籍している社員にしか付与できないし、SO発行時にバイネームで株数まで決めなければならない。
    • 信託型SOの場合、事前に決める必要は一切ない。
      信託している間にポイントプログラムを回し、そのポイントに応じて、満期になった時点でSOを発行すれば済む。
  • 税金の問題
    • 従来のSOでは、状況に応じて(有償SO、無償適格SO、無償非適格SO)税金が最大55%になったり、課税されるタイミングや支払うタイミングが非常にシビアになる場合がある(詳細は長くなるので割愛。各自で調べてもらいたい)。
    • 信託型SOの場合、課税は行使時にはされず、売却時に源泉分離課税の20%だけに収まる。
      なぜ20%に収まるかと言うと、払込を最初にするから金融商品を買う税制になるからだ。
      通常のSOは労働の対価(給料)とみなされる為、違う計算になる。
  • 創業者に割り当てられない問題
    • 従来のSOでは、3分の1の持分比率を持つ人に割り当てるのが難しい(可能だが実質的に割り当てられない。税制非適格になるので)。
    • 信託型SOの場合、創業者に割当が可能だ。
      これにより創業者の持株比率の維持に有効と言える。
      つまり通常のSOだと創業者の持ち分は減っていくだけで、自分に増資する以外増やす手はない。
      しかし信託SOの場合、自分にも割り当てられるので、持株比率を回復することが出来るのだ。
  • 発行の費用が高すぎる問題
    • 従来のSOでは、発行する毎に費用がかかる。
      1回辺り100万から200万は必要で、IPOまでに10回前後SOを発行することが多い。
    • 信託型SOの場合、発行は一回で済むことが出来る。
上記のように、全ての課題が上手く解決されている。
まさに素晴らしいスキームと言える。
では次に質疑応答形式を用いて補足をしていこう。

  • 信託SOのデメリットはあるのか。
    • 基本的には無い。
    • 敢えて上げるとするならば2点。
    • 委託者が最初にお金を入れることになるのでその負担があること。
    • ポイントの付与制度の設計を間違えると、このスキームが否認されることがあること。
  • SOは何回発行してもよいのか。
    • 最初のタイミングで信託を複数本作成する。
    • 満期を迎えるのをずらして設定する。
  • 外国人に付与できるか
    • 付与は出来るが、税制は居住国の税制になるので注意が必要。
  • SO付与予定者が退職した場合、ポイントはどうなるのか。
    • ポイントで付与した人が退職した場合、そのポイントは他の人に回せる。
  • 発行した当時より社員が激増したら、発行株数をどうコントロールするのか。
    • ポイントを1ポイント1株に固定するのではなく、相対ポイントで割り振る。
    • これにより社員が増えても対応できる。
  • 最後まで何%になるのか不明瞭だとインセンティブとして弱いのではないか。
    例えば外部の優秀な人間を入れる際、何株もらえるかFixしてない場合、迎えづらいのではないか。
    • SOのうち、3割は固定レート、7割は相対という設計にできる。
    • 社外の人を迎える場合は固定レート分を渡し、パフォーマンス部分などは相対分を利用する。
  • 信託型SOした後にMAをした場合はどうなるのか。
    • MAが生じた場合、会社または創業オーナーに買い取ってもらう条件をつけることができる。
    • 会社につけるのが一般的。
  • 信託は何年ぐらいに設定するのか。
    • 決まりはないので無限にできるが、SOに期限があるのでそれに合わせる。
    • インセンティブに使うので、遠い将来にしてしまうとインセンティブにならない。
    • 年数で言うと2,3年が多い。
    • またはIPOに合わせるのが一般的。
    • 客観的証拠がある場合ならば設定が可能。
  • 行使タイミングをIPOにした場合、行使時の退職リスクを減らすスキームは?
    • SOにベスティングをつける。
  • IPOの目録書には何を書くのか
    • 受託業務を行っている人がSOを所有している形になる。
    • IPOした際、顧問税理士が株を大量に持っている場合は、このケースが多い。
    • 開示資料にその旨を書くのは問題ない。
以上が信託型SOに関する一切の説明だ。
これでほぼ全ての内容が理解できたと思う。
2018年9月現在、WEB上でここまで詳細に説明しているサイトはなかったので、ある程度価値があるのではないかと思っている。
是非、穴が開くほど繰り返し読んでもらいたい。

さて、最後に今回講演を依頼したSOICO株式会社と、主催したオンラインサロンIT Startup Communityの説明をしたい。

先にも書いた通り、今回講演を依頼したのはSOICO株式会社の代表茅原さんだ。
茅原さんは上場会社で初めて信託型SOを実行したKlabの担当をされていた方だ。
Startupに特化した資本政策のコンサルをメインにされている。
気さくな方なので、何か困ったことがあったらコンタクトしてみてはいかがだろうか。
信託型SOの勉強会も定期的に開いてる様なので、それに参加してみるのも面白いだろう。
ちなみに信託型SOをSOICOに依頼した場合の費用は下記の2通り用意されている。
随分安く収まるので、依頼してみるのも良いだろう。
1, 初期費用を0円にする代わりに発行するSOの一部を渡す。
2, イニシャルで500~700万払う。
(両方共、支払方法については審査あり)

SOICO株式会社

そして今回イベントを主催したのは、僕が運営するオンラインサロンIT Startup Communityだ。
IT Startup Communityは起業家や起業を志す人を対象にしたオンラインサロンだ。
ITをテーマにインプット・アウトプットを行うことで、知識の深掘りをすることを目的としている。
オンラインでは、流行りのWebサービスについての考察や、最新のビジネスモデル解説、起業におけるチップスの共有などを行っている。
注目のサービスがある場合、そのサービス運営者に対して独自インタビューを行い、回答をサロンにて限定公開したりしている。
オフラインでは、気になる情報の勉強会、メンバー間での交流を行うオフ会、特定テーマに対して研究を行うブレスト会、などを開催している。
勉強会は、メディア運営勉強会や投資型クラウドファンディング勉強会、そして今回信託型SOの勉強会などを行った。
次回はコミュニティ運営についての勉強会を開く予定だ。
イベント時にはサロンメンバー特別枠、特別価格を設ける上に、イベントに使用されたプレゼン資料の共有、イベント時の動画有償販売なども行っている。
サロン特典として、サロンオーナー(僕だ)による無料ビジネスコンサルティング、起業におけるノウハウが詰まった指南書、Startup界隈における基礎用語集、などを用意している。
まあ、プレシード・シードの人に必要な情報がオールインワンパッケージのように用意されたサロンだと思ってくれたら問題ない。
月額2980円から加入できる。
一日100円で知識が手に入るなら、この内容なら十分Pay出来ると個人的には思ってるので、是非参加してもらいたい。

IT Startup Community

以上。
長くなったが信託型SOについての解説を終わりにする。
気に入ってもらえたら是非当該記事のShareなどしてもらえたら嬉しい。
アクセスが増えると、書いた労力が報われるのだ(なんだかんだ5000文字も書いてしまった)。
それではまた。

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